日本の原風景、あるいは日本古来の建物の構造材は木材が古来から主流でした。
それが、鉄やコンクリートの登場で、大きくとって変わられたのはここ200年程度の短い歴史の話だと思います。
ですが、この度、どうやらオリンピックに向けて、大きな技術革新がなされているようで、これまで耐火面の規制から実質的に2階建て、もしくは3階建てくらいまでしかあまり見なかった木造の構造が更に高く市街地でも4階建てまでのビルで使えるようになっているようです。
さらに、東京オリンピックまでコンクリートや鉄の価格はもちろん型枠大工さんなどの人件費の高騰が予想される事や、政府としては日本の「おもてなし」を和の空間=木造?で行うようにすると熱弁をされていたそうです。
日本でも、集成材をつかって木造でも大架構を実現した出雲ドームや信州博覧会グローバルドーム、長野市オリンピック記念アリーナなどなど、古来からある技術に昨今のイノベーションを掛け合わせた素晴らしい建築がみられますが、ヨーロッパで登場した新しい技術「直交集成版(CLT)」というものができて、木造の9階建てマンションや大規模商業施設がつくられているようです。
この直交集成版(CLT)というのは、木材の繊維方向が直交するように積層した集成材で、壁として組み合わせることで高層ビルの建設が可能になってるようです。
日本でも、オリンピックまでに現在28%程度の木材自給率を50%まで引き上げる目標を掲げているようで、こうした新しい技術革新とともに、今後、古来から続く木造建築の原風景がイノベーションを迎えた姿を都市圏でみれるようになるのかもしれません。
もちろん、木造なので耐火面も規制がかかっていて都市部では木造の建造物が少なかったが、こちらは竹中工務店がすでに1時間耐火認定を取得した部材を開発していたり、鹿島建設や住友林業なども開発が進んでいるようです。
CLTは上述したように壁として組み合わせるとのことなので、どちらかというと欧州での組積造からの延長かもしれませんが、日本古来の軸組構造と組合わさったり、要所要所で活躍するのかもしれません。
新しい、木造の建造物が織りなす未来の日本建築はどのような意匠をまとい、現代の都市風景にどのような陰影をつけてくれるのか期待が膨らみます。
と、オプトは様々な技術にとても興味をもっていて、今回は建築の技術でしたが、それ以外のものもまた興味深い情報があったらまた紹介します。
CLTの繊維方向が直交するように積層しただけの集成材でも、それまでの集成材と耐力が大きくかわってくるのでしょう。オプトの技術の場合は、基礎と鉄板の関係や、基礎のすぐ脇から建物の自重を利用して鋼管杭を打つときの曲げモーメントの考察などなど、工事に入ると淡々とこなしていることでも、実は、検討段階では、様々な試行錯誤をして、なんども軌道修正をしながら現在の技術にたどり着きました。
まだまだ、こういった大手の建設会社さんでも技術革新があるということは、ちょっとしたひらめきから新しい技術が生まれてくるのだとワクワクしてくる研究魂を燃え滾らせています。