家の傾きを直す番外 ジャッキアップ技術の応用編 災害でズレた家を直す技術 | 家の傾き修理・地盤沈下修正なら有限会社オプト

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家の傾きを直す番外 ジャッキアップ技術の応用編「災害でズレた家を直す技術」

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施工前施工後写真

2014年8月20日に広島県安佐南区、安佐北区を襲った豪雨による土砂災害で被害が出た建物の修繕を行いました。普段の家の傾きの工事とは少し変わった工事を行ったので紹介します。

オプトのホームページでは「家の傾きを直す」ということを主な事業内容として掲載しています。建設業の関係者や油圧ジャッキを用いた仕事に従事されている方々にはお分かりいただけているかもしれませんが、オプトのアンダーピニング工法は油圧ジャッキを応用して「家の傾きを直す」という部分をメイン事業としています。
が、油圧ジャッキはその性能をうまく応用すれば、大きな力が必要になることをいとも簡単に行ってしまうという、いわば魔法のツールです。
オプトは、この油圧ジャッキ使いの名手で、いわば、パワードスーツを油圧ジャッキに置き換えて家の病を直す外科医のような腕をもっています。

ここでは、「家の傾きを直す」技術(油圧ジャッキ)を使って、「家のズレを直した」事例を紹介します。

施工前

施工前イメージ図

写真が、土砂災害の後の状況です。。
こちらの現場は、オプトの工場のある広島県広島市安佐北区桐原の本当に工場の斜め前で起こった災害でした。
当時の状況は、普段はそれほど水量の多くない川が、突如の豪雨によって氾濫し護岸用のコンクリート塀を怖し地面をエグったことで、地面ごと建物が大きくズレを起こしました。

近隣では、この小川の両脇に建っている家が同じように地面を失った状態になったところもあったり、山から流れてきた土砂によって窓があけられないくらいまで土砂に埋まってしまった家など多くありました。

災害後、テレビの報道で多く知られた安佐南区や安佐北区の可部東では人命救助もありこのままの状態で数日、こちらの家屋は放置してある状態となっていました。
災害からしばらくして、建物のオーナー様より、オプトの技術を知って、直るのかどうかという相談をもちかけられ、直すことができそうだと判断したため工事に着手することとなりました。

実際は毎日目の前を通って工場に向かう中で、自然の猛威の惨さとオーナーさんが何とか直したいという気があれば、元に直して、まだまだ長く建物をつかってもらいたいと思っていた矢先の出来事でした。

施工中

直すことになったとはいえ、油圧ジャッキで持ち上げて直すことは、すぐ思い浮かんでも実際は、地面のズレによって家がズレている以上、家の形も長方形だったものが平行四辺形になるくらい傾いています。

さて、どうしたものか?
ただ持ち上げただけでは、家はまっすぐなっても平面図では平行四辺形のように歪んで次に地震でもきたら直に倒壊してしまっては直す意味が無い。。。
そういうことで、家のゆがみまでしっかりと直す方法を探りながら着手しました。

施工概略図

まずは、古い家屋のため基礎が無いので、家を支えて持ち上げられる土台づくりからはじめます。
L字の鉄骨(アングル)にボルト穴をあけ土台の木を抱きかかえるように設置することで、不安定な土台をまずはしっかりと支えられる強度のあるものに補強していきます。

土台となるL字の鉄骨(アングル)の設置が完了すると今度は上図で膨らんでいた部分を元に戻すために引っ張ります。
とはいっても、人間が全員で押してもバランスを崩すばかりなので、チェーンブロックという治具を使ってゆっくり引っぱり寄せます。
引っ張っていくときも、目視では具合が悪いので、いつも家の傾きの計測で使うレーザーを使って、しっかりとズレを確認して直していきます。

建物の膨らみもほぼ戻ったところで、今度は、いつもの要領で持ち上げる準備にかかります。
いつもは、建物の基礎があり基礎に鉄板で補強をして持ち上げるのですが、今回の建物は基礎がないので、若干の改良を加えながら治具を準備し持ち上げの準備に入ります。

ここまで準備が整えば、いつもの家の傾きを直す原理と同じため、7割がた安心してしっかりと直るという確信を得ながら的確に準備をし持ち上げます。
持ち上げるときは、いつもと同じで、ジャッキを一本づつ持ち上げていくと家のバランスがいびつになる可能性が高いので、パスカルの原理を応用したジャッキ君全員の力を総動員で、家のバランスを戻しながら持ち上げます。

持ち上がった後の状態です。鉄骨の柱でまっすぐ支えています。
今回の場合は建物自体が軽い事や川縁で岩が多く、押し込む力に対して家の重量が軽く深くまで鉄骨を打ち込めないこともあり、ある程度の支えが効く地面でコンクリートで柱を支えることで対応しました。

施工後

施工後イメージ図

左上がオプトの施工後の様子です。
右上、左下、右下の写真はオプトの工事の後に、大工さん、左官屋さん、基礎屋さんに柱梁の補強や外壁の補修、ズレてなくなってしまった地面にコンクリートを流し込んで基礎の新設をしてもらった後の写真です。
護岸の工事は、大規模工事になるためまだ先になりますが、これでひとまずは安心して建物自体は長く使い続けてもらえます。

よく聞かれる質問で、これだけ大変な工事をやったのだからかなり費用も高くって工事をする事自体大変なのでは無いかといわれます。
参考程度にこちらのオプトの工事金額は150万円でした。
(基礎新設工事、左官工事、大工工事は含みません。)

今回の工事前のような状況を、東日本大震災の断層のズレで起きた家のズレ、広島の土砂災害での地面のズレ、先日の長野の大地震のときのような断層のズレなどで、多くみます。
ほとんどの場合、家屋の壁や外壁、サッシのズレなど大工工事で直されるケースが多いように思いますが、家のバランスのことを考えると、本来は基礎から、今回の場合では、基礎がなかったですが水平垂直を見ながら家そのもののバランスを戻すことが家を長く使っていく上でとても大切です。

同様のような家のズレでバランスを崩しているような場合で、工務店さんや大工さんに相談したけど直らないから表面的に直しても使えるや、建て替えをしたほうが良いと言われ、疑問に思われている場合は、是非一度、オプトにお気軽にご相談ください。
今回の工事は、一例ですので、ご相談いただいた場合は状況をしっかりと調査し、施工計画を練り、しっかりとご説明し納得頂いた後に、確かな工事をさせていただきます。

その他、きになることや、ご相談は、お気軽にご連絡下さい。お電話によるお問い合わせ  tel.0120-203-067
オプト独自のアンダーピニング工法で、あなたの家に安心をご提供します。